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ドラムと歌と色々と

ふたりの友達

海外で仕事をしている友達が仕事の整理やら挨拶やら雑用やらで一時帰国している。彼と去年亡くなった共通の友達の墓参りに行った。彼女が亡くなった時、彼は日本にいなく、花を手向けた後、「やっと来れたな」小さい声で言った。

 

彼は僕や彼女と違って、周りの人間や、社会、世の中を敵としない男だ。一言で「晴れ」の男。明るくておおらかで理知的だ。僕らは仲は良かったけど、当然、羨望のほかに少しの嫉妬があった。一方僕ら(特に僕は)「曇り」だった。僕も彼女は彼のように生きられないことは自覚してたし、それでもそのままで生きていけるような気がしていた。彼女は好奇心が強く、いろんなことを始めては挫折したり時々続けていたりしてた。「器用なやつはいいよな」とか言いながらも、彼女は彼が好きだったろうし、僕はふたりが好きだった。「そのままでいるためには変わらなきゃならない」そういうようなことに気がついた後、彼女は世の中と折り合いを付けるため努力し、僕は逃げた。長く会っていなかった彼女が亡くなった知らせを聞いて、確かめなかったことを悔やんだ。彼女にとって世の中は楽しいものになったのか。それは彼女が聞いてほしいことだったはずだし、それは自分への問いでもあったから。

 

彼はまたすぐ日本を出るようだ。次に戻る予定はないらしい。コーヒーを飲みながら、なぜ彼が日本を出たのか本当の理由を聞いた。その話を聞いて彼も決して平気な顔をして人生と折り合っていたわけではなかったことを知った。ネットワークで繋がってこんなに狭くなった世界だけど、ふと、もう会えないかもしれないと思った。それから僕も自分の話をした。彼にとっては取るに足らない話だと思ったが、彼は昔どおりの笑顔でゆっくり言った。「相変わらず曇っているが、君はそこから晴れるのも、雷を落とすのも、いつも勝手にやってたじゃないか」それからしばらく話をして、そこから一杯飲みに行くつもりだったんけど、そこで別れた。お互いそこがちょうど良かったんだと思う。

 

いろいろ勝手に書いてごめんな!

 

きっと今夜の東京も楽しいことがいっぱいだ。だけど僕には今の雨はふさわしい。そんな風なことも言わせてくれ。

ありがとう。さようなら。